医療情報システム担当者の黄昏

アラ定年の医療情報システム担当のひとり語り

初回のご挨拶

 私はもうすぐ定年を迎える病院情報システム担当者である。
 病院以前の経歴としては、最初は金融、その後工場の生産管理システムやいろんなシステムの基本ソフト開発やミドルウェア開発、アプリケーション開発を行って来た。
 
 20数年前に病院に再就職し、医事システムからオーダリングシステム、電子カルテシステム等の病院のIT化の波に乗り、病院の情報システムにどっぷり頭のテッペンまで浸かってここまでやって来た。二年ほど前にそれまでいた1000床規模の大きな病院から100床規模の小さな病院に転職した。
 
 病院に入ってからここまで病院情報システム導入、バックオフィス系の導入、電源周り、ネットワーク周り等のインフラ周りから病院情報セキュリティまでいろんなことをやって来たけど、その経験をリタイアと共に墓まで持ってゆくのもなんとなくもったいない気持ちからこのページを立ち上げることにした。
 
 病院というところは多くの企業と違い医療に従事するために様々な資格を持った専門職が働いている。その職種を要員とする部署がある。IT化の進展に伴いそれらの職種ごとや彼らが使う機器ごとにシステムが導入され、それらは各システムごとにベンダやメーカが異なる。ユーザ認証方式もバラバラ、ネットワーク体系が異なるとか無線LANの暗号化方式が異なるとか、(そもそも暗号化してないとか!!)そういう事を平気でやってる。
 前にも書いた通り、病院って結構な種類のシステムが入っている。そこでバラバラとそういうことをやられたら病院情報の全体システムとしての状況は推して知るべしである。
 
 最初の病院では基本的に部署やベンダに対して病院で決めた管理状態に持ってゆくようにしていた。(ウルサイやつだとか頑固者だとか嫌われていたかもしれないけど、業務だから仕方がないよ)
 次の病院では前担当者が残してきた遺産のメンテナンス、最適化や更新を行ってきた。
 どちらの病院の場合も安全で診療が止まらないシステムを目指したつもりである。
 
 その経験の中で伝えられることがあれば綴って行こうと思う。
 
PS. 最初にこの手のBlogを書こうと思ってからすでに2年以上の歳月が過ぎた。気が乗らなかったり、他のことに気を取られていたからだけど、規模や機能が違う病院を2つ経験していろいろ幅が広がったのは良かったように思える。